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Project4|振付作品《春の海》

宮城道雄氏が作曲した箏曲《春の海》の新振付——。

歌詞のない曲のなかで、琴と尺八がつくる音楽が、どのように表情を変えていくかに焦点をあて、その表情のうつり変わりを身体で描写できるよう、振付ました。

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日本舞踊の所作や振付は、もとは、「ことば」と密接にかかわるもでした。「ことば」が表しきれない<情緒>を、「ことば」がはこぶ意味とともに、身体で表現する、というところに、日本舞踊の身体動作の妙があったといいます。

しだいに動きが類型化され、形式化されると、「ことば」と離れるように、身体の形状それ自体の美しさが主眼に置かれるようになりました。他の芸術ジャンルと同じように、<かたち>と<意味>がしだいに離れていき、<かたち>それ自体の美的感覚が、培われていくようになりました。

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そうした潮流には、どの芸術ジャンルでも批判があったし、それを乗り越えるような試作もさまざま行われてきたはずですが、いま一度、日本舞踊が培ってきた、身体の美的感覚を認識するためにも、<かたち>の美しさに主眼をおいた振付を目指しました。

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初演|2024年8月26日|タワーホール船堀

立方|坂東野里行

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