習い事としての「日本舞踊」とは|初めての人が知っておきたい基本情報

「和の雰囲気が好き」「日本舞踊に興味がある」そんなあなたへ、日本舞踊をはじめる前に知っておきたい3つの基本情報をまとめました。

お着物を着て、背筋をただし、凛とした所作を身に付けられるイメージの日本舞踊。

しかし、ある程度のご年齢になってから心惹かれた方にとっては、踏み込みにくいもの。たしかに「小さい頃からやるもの」というイメージもあるし、敷居も高そうです。

ですが、もし一歩踏み込んでみれば、そこには「たっぷり和文化にひたる環境」や、「これまで気付かなかった日本文化の再発見」といった、多くの出会いがあります。

とはいえ、ネットにはさまざま情報があって「よく分からない」もの事実。

そこで本記事では、「興味をもった時まず知っておきたい3つ基本情報」を記します。「今からでも習えるのか」「習うとどうなるのか」などなどお伝え。最後には、付録「日本舞踊を習うまでのロードマップ」を公開します。

あなたも「今から習える」日本舞踊

日本舞踊は、「年齢・性別・経験にかかわらず、誰でも、いつからでも習える、お稽古事」です。

たしかに「小さい頃から習うもの」「特別な人のやるもの」というイメージもありますが、実は20代、30代からでも、あるいは4,50代になってからでも「未経験から」スタートできます。実際、お教室の9割ちかくの方が、はじめてからです。

3年前お会いした30代のAさんは、「昔から和の雰囲気が好きで、仕事が落ち着いてきたいま、日本舞踊に興味をもった」ところでした。

しかし「未経験だし、着物の知識もほとんどない。お稽古事には全く触れたことがないし、なにより、私に習えるのか不安」とのことで、なかなか踏み出せずにいたそう。

ひょんならことからAさんに出会い、そんなお気持ちをきき、いちどお稽古の体験にきて頂きくことになりました。

体験日、和服に身をつつみ、むずかしそうにしながらも、三味線の澄んだ音に身体をあわせるAさん——

「私で習っていいものなのか、初めは疑問で不安でした。ですが始めてみると、もちろん難しいですが、どこか和の伝統のなかに包まれているような気がして、とても楽しかったんです。お着物を着て背筋が伸びる、するとすーっと身体に空気が入ってきて、そのままお三味のきれいな音とうごくと、どことなく「日本人だ」っていう気がして…早く始めてればと思いました。」

Aさんはその後入門され、いまでもお稽古に通われています。

日本舞踊をはじめるには、確かにいろいろな不安があると思います。しかし、いま始めるのが、そのかたにとっての最速の時期、一歩踏み込んでみると、そこには思ってもみなかった日本との出会いがあるのだと思います。

習い事としての「お稽古」

それでは習い事としての日本舞踊の実際をみてみたいと思います。

和を着る——お稽古は毎回、和服に身を包みます。「ゆかたに腕をとおして帯をしめると、おなかにぐっと力が入って背筋がのびて…なんだか気合いが入るんです」(Aさん談)。洋服とはちがった「和」の感覚をまとい、お稽古ははじまります。

はじめての方、着付が不安な方は、和服の着方からお伝え。お稽古では動きますから、着付け教室とはちがった「うごいても着崩れない、自分に合った着方」を目指します。和服で外を歩くさいにも活きる着付けです。

うごいて覚える——お稽古は基本、マンツーマン。師匠のおどりや所作をまねて動き、だんだんと身体で覚えていきます。はじめは慣れないかもしれませんが、細やかな足さばきや、腕の滑らかなうごき、手のうつくしい所作などなど…ひとつひとつを順々に、じっくりお伝えします。

日本の音楽とともに——あわせるのは、伝統的な「三味線」音楽。爽やかで澄んだ三味線、しなやかな唄声、心はずむお囃子の音にあわせ、しなよく踊れるよう、くり返して稽古します。かつての人々のこころを唄う流麗な歌詞は、お稽古をする今と昔をつなぐ架け橋になります。

檜舞台の木の上で——踊るのはヒノキ舞台の上。すべりを良くしたり、足をふみ鳴らした時いい音がでるよう造られた、日本舞踊の専用舞台です。

「一段あがった檜舞台は、少し冷んやりしてどこか神聖で、澄んだ空気が充満しています」(30代男性談)

舞台にあがればそこは別世界、和服をまとい、日本の音楽にふれ、師匠に合わせながら、数百年おどり継がれてきた動きに身をかさねる——「和」にたっぷりと浸ることのできる環境がここにあります。

おどりを演じ、所作をつむぐ日本舞踊

そんな「和に浸れる日本舞踊」は、歌舞伎から生まれたものでした。

ときは江戸時代。今のようにSNSも無い時代、歌舞伎というお芝居、演劇は、大流行りでした。そこには目の離すことのできない劇世界と、役者さんによる心沸き立つような「おどり」があったからです。「これを踊りたい!」私たちの先祖は、お芝居のなかにあった踊りにハマり、これを習うようになり、一大ブームとなりました。芝居から抜き出した「おどり」、それが日本舞踊です。そこで「おどり」には、何かを演じる「芝居の要素」と、演劇のなかの「美しい所作」があるわけです。

歌舞伎は、プロの役者さんが支え、日本舞踊は、街中のアマチュアの人々が支えてきたものといいます。じつは昔から「誰でも始められるもの」、それが日本舞踊だったのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 本記事では、日本舞踊が「いつからでも誰にでも習える」「和文化にたっぷりと浸ることのできる」習い事だということをご紹介しました。より詳しく知りたい方は「お稽古を大公開!」や、「日本舞踊で得られる3つのこと」をご覧くださいませ。

付録 日本舞踊をはじめるまでのロードマップ

関連記事

無料体験レッスン レッスン予約
目次