今回は都内企業で、広報としてお勤めの30代男性に、日本舞踊のお稽古を体験していただきました。ご感想などを伺う、体験後インタビューをどうぞ。
盆踊り、歌舞伎、日本舞踊、そのちがい

坂東 今日はお忙しいところ、体験を受けてくださり、ありがとうございました。
まずはこれまで日本舞踊にどんなイメージをお持ちでいらしたか、そして、今日のお稽古を経て、それがお変わりになったか、お聞かせください。
Iさん 正直、これまでは「盆踊り」と変わらないものだと思っていました。ストーリーもなく、ただ音に合わせて踊る、いわば「ダンス」という印象です。また、歌舞伎や能との違いも全然わかっていませんでした。
ですが、今日お稽古を受けてみて、そうしたイメージは変わりました。まず、日本舞踊にストーリーがあるのが印象的でした。大まかな作品の筋立てがあって、それを踊る、というのが面白かったです。物語がすごくあるイメージの「歌舞伎」とはまた違うし、ストーリーのない「盆踊り」とも違う。日本舞踊は、物語があるようで、ないようで、ある、というのがとても面白かったです。演劇チックなところもあれば、楽しく踊るところもある、といった感じで…はじめてなので難しくありつつ、かえってそこに興味惹かれました。

何才からでも、初心になれる
坂東 それでは、「お稽古事」にはどんなイメージがありましたか?
Iさん 小学生の時分に、水泳とピアノのお稽古をしていたので、「稽古事」といったら、その2つのイメージがとても強いです。小さい頃に、学校での学びとは別のことを身につける、という印象、いわば「習い事」的な印象がありました。
今日のお稽古で思ったのは、この年になって初心にかえって挑戦できるのは、楽しい、ということでした(笑)。小さい頃にやるイメージの稽古事を、今になって挑戦としてやる面白さを感じましたね。
坂東 たしかに日本舞踊は、若い方うちからも、お年を召されてからもはじめられる芸事だと言われていますね。

意外に身近な「非日常」、和の世界
坂東 では、今日実際に日本舞踊の体験を受けられた感想をお聞かせください。
Iさん ロケーションを含め、「非日常」な感じが楽しかったです。また、純粋に、あたらしい余暇の使い方としていいなと思いました。なんでしょうか、これまで日本舞踊のことはよく知りませんでしたが、ロケーション、稽古内容ふくめ「バズる」内容が多い気がしました(笑)。
特にロケーションいついて。このお稽古の場所、空間が、私のなかの「京都」とぴったり合う感じがして…渋谷ちかく目黒の地でこの雰囲気がとても面白いです。遠い存在のようで、意外に身近にある非日常、しかし懐かしさもある、という…その和の雰囲気が良かったです。

それから、今後お稽古を続けたら、運動にもなるし、姿勢もよくなるだろうし、ストレス改善にもなるし…また、この雰囲気の中でやるならばこそ、メンタルヘルス的にもいいのではないかと思いました(笑)。この年になると人生にあまり、目標がなくなります。そこで、例えば日本舞踊の発表会があったりすると、人生に彩りが出るとも思いました。今日の先生のように優しく教えていただけることは、子供にも、大人にもいいなと純粋に感じましたね。
坂東 貴重なご意見をありがとうございます。
誰が向いてる?日本舞踊
坂東 それでは最後に、どんな方が日本舞踊に向いていると思われますか?
Iさん こういう日本の空気が好きな人、和の伝統に触れたい人には、すごくいいだろうな、と思いました。先生も親切に教えてくださるから、その意味で、すごくハードルは低くはじめられると思いました。
坂東 実際そうであるよりも敷居が高く感じられている日本舞踊、それでもこの芸事の彩り豊かな世界をたくさんの方に触れていただきたいと思っています。Iさん、本日はありがとうございました。
