はじめて触れる、日本舞踊
今回は20代の男性に、日本舞踊のお稽古体験をしていただきました。体験のご感想などをインタビューさせていただきます。
「日本舞踊、アートと日常のあいだ」
坂東 Yさん、今日はありがとうございました。
さて、Yさんはこれまで何度か私の出演する舞台にもきてくださっていますね。今日実際にお稽古をされてみて、いかがでしたでしょうか。
Yさん そうですね。これまで何回か坂東さんの公演に伺ったことがあります。その舞台のなかで日本舞踊を見たことはありましたけど、実際に自分が日本舞踊をやるのは、今日が初めてでした。
やってみて面白いと思ったのは、「自分が身体をどう使っているか」「どのように動かしたら身体が綺麗に見えるか」ということをすごく気にする、という点です。どうすれば身体の動きが「綺麗に見えるか」というのが、やっているうちに段々と分かってくるような気がして、それが面白いと思いました。
すこし難しい言い方になってしまうかもしれませんが、日本舞踊は、「芸術と生活のあいだ」にあるような気がします。日常生活に活かせるような、姿勢や綺麗な所作を学べる、だけれども、やっていることは「舞踊」という「芸術」。アートでありながら、日々のことにも活きるというのが面白かったです。
坂東 ありがとうございます。「芸術と生活のあいだ」、たしかにそうかもしれません。踊りでありつつ、日常に活かせる所作も日本舞踊にはあります。

「自分の身体を知り、活かす」
坂東 では次の質問です。今後お稽古をつづけていった場合、どんなことが身に付くと思われますか?
Yさん 自分の身体の扱いかたがが、より詳しくわかるようになりそうだ、と思いました。私の場合、楽器をやっていますが、楽器のほうでも、「どうやって体を操作するか」ということは日常的に、試行錯誤することです。
日本舞踊の稽古は、楽器を弾くのとはまた別の視点、観点から、自分自身の身体を学ぶことができそうな気がします。そしてもしかしたら、自分の身体のまだ知らない状態を発見できて、それを私で言えば楽器演奏などに、取り入れられるかも…と思いました。
坂東 確かにそうですね。身体を使う楽器にも、長期的にみたら活かせるポイントがあるかもしれませんし、楽器でなくとも、いろいろなことの参考になるかもしれません。

「初々しい心で始める、和の文化」
坂東 さてYさん、今日のご感想をお聞かせください。
Yさん 純粋に、すごく楽しかったです(笑)。やっぱり新しいことを始めるというのは、いつでも良いことですね。この年になってからも、初々しい気持ちでできたのがとりわけよかったです。以前から、和の文化ですとか、それこそ日本舞踊に興味がありましたから、それに実際に触れられて嬉しかったです。

坂東 ありがとうございます。それでは最後に、どんな方が踊りに「向いてる」と思われますか。
Yさん 大前提として、日本舞踊や、和文化、伝統などに、興味のある人が向いていると思います。少し興味のある方が飛び込んでみたら、こんなに和に浸ることができるのか…って、なる気がしますから、その点が、興味ある人には向いていると。
それから、休日などの余暇の使い方が決まってない人にはいいかもしれませんね。例えば会社にお勤めで、平日働かれている方などがお休みの日に稽古に来ると、「教養を学べる息抜き」になるかもしれないですね。稽古はどこか、自分の人生の彩を満たすことでもある気がしました。
坂東 たしかにそうですね。「リフレッシュさ」を求めてお越しになる方もたくさんいらっしゃいます。
Yさん、今日は貴重なお時間をくださり、ありがとうございました。